子どもの通院や入院にかかる医療費が、窓口でほとんどかからない——そんな「子ども医療費助成」は、いま多くの自治体で高校生年代まで広がっています。ただしこの制度は国が全国一律で決めているものではなく、住む市区町村によって対象年齢も自己負担も大きく変わります。仕組みと全国の傾向、代表的な自治体の例を整理します。
この記事の要点
- 国の一律制度ではなく各市区町村が実施。対象年齢・所得制限・自己負担は自治体ごとに異なります。
- こども家庭庁の調査(令和6年4月時点)では、市区町村は通院・入院とも「18歳年度末(高校卒業)まで」が最多です。
- 健康保険が使えない予防接種・健診などは対象外。引っ越すと医療証は再申請が必要です。

子ども医療費助成とは?
健康保険が適用される医療費の自己負担分(通院・入院・調剤)を、市区町村が負担・軽減する制度です。都道府県が補助要綱で財政的に支える形になっており、実施主体は市区町村。そのため対象年齢や自己負担の有無が地域で異なります。
一方、健康保険が使えない予防接種・健康診断・差額ベッド代・文書料などは、医療証を出しても対象外です。助成はあくまで保険診療の自己負担分に限られます。
「現物給付」と「償還払い」の違い
- 現物給付:病院の窓口で医療証を提示すると、その場で自己負担が0円または軽減される方式。
- 償還払い:窓口でいったん自己負担を支払い、あとで市区町村に申請して払い戻す方式。自治体外・県外の医療機関では、現物給付の地域でも償還払いになることがあります。
何歳まで無料?全国の傾向
こども家庭庁の調査(令和6年4月1日時点、令和7年12月公表)によると、市区町村では通院・入院とも「18歳年度末(高校卒業)まで」を対象とするところが最も多い状況です。対象年齢を中学生から高校生年代へ広げ、自己負担や所得制限をなくす動きが続いています。ただし具体的な割合や条件は自治体ごとに違うため、お住まいの自治体でご確認ください。
代表的な自治体の例(2026年)
以下はあくまで代表例です。「全国どこでもこう」ではない点にご注意ください。
| 自治体 | 対象年齢 | 所得制限 | 自己負担 | 開始・変更 |
|---|---|---|---|---|
| 東京23区(例) | 高校生年代まで(18歳年度末) | なし | なし | 2023年4月〜 |
| 川崎市 | 0歳〜高校生年代まで | なし | 廃止(小4以上通院500円→0円) | 2026年9月1日〜 |
東京都は都が費用の一部を補助し、実施は区市町村。23区は区の財源を上乗せして所得制限なし・自己負担なしとしていますが、多摩地域などでは所得制限や通院1回あたりの自己負担を設ける自治体もあります。東京都の医療証は年代別に3種類——マル乳(就学前)・マル子(小中学生)・マル青(高校生年代)です。
川崎市は2026年9月1日から、対象を高校生年代(18歳年度末)まで広げ、小4以上の通院500円の自己負担を廃止します。ただし高校1年生年代は2026年4月1日〜8月31日は対象外(9月1日開始)で、医療証の申請期限などが設けられています。詳細は市の案内で確認してください。
ワンポイント:引っ越しを予定しているなら、転入先の対象年齢・所得制限・自己負担を先に調べておくと安心です。同じ「子ども医療費助成」でも、隣の市区で条件がまったく違うことがあります。
申請の流れ

公式情報・申請先
- こども家庭庁|こども医療費助成の実施状況(全国調査)
- 申請はお住まいの市区町村の窓口(子ども医療費助成の担当課)で行います。
- 健康保険に加入後、市区町村の窓口(郵送・オンライン可の自治体も)で子どもの医療証の交付を申請。
- 必要書類は子どもの健康保険証、保護者の本人確認書類など。自治体により異なるため要確認。
- 交付された医療証を、医療機関の窓口で保険証と一緒に提示。
- 引っ越したら再申請が必須。前の自治体の医療証は使えません。
対象かどうかセルフチェック
- ✓ 子どもが健康保険に加入している
- ✓ 住んでいる市区町村の対象年齢・所得制限を確認した
- ✓ 医療証(受給者証)を申請・受け取っている
- ✓ 予防接種・健診など保険適用外は対象にならないと理解した
- ✓ 引っ越し予定があれば、転入先で再申請する
よくある質問(FAQ)
Q. 子ども医療費助成は全国どこでも同じ内容ですか?
A. いいえ。国の一律制度ではなく各市区町村が実施するため、対象年齢・所得制限・自己負担が大きく異なります。必ずお住まいの自治体でご確認ください。
Q. 高校生も対象ですか?
A. 広がっている傾向です。こども家庭庁の調査(令和6年4月時点)では、市区町村は通院・入院とも「18歳年度末(高校卒業)まで」が最多です。ただし自治体ごとに異なるため、お住まいの自治体でご確認ください(例:東京23区は2023年から、川崎市は2026年9月から高校生年代まで)。
Q. 予防接種や健診の費用も無料になりますか?
A. いいえ。健康保険が適用されない予防接種・健康診断・差額ベッド代・文書料などは対象外です。助成は保険診療の自己負担分に限られます。
Q. 引っ越したら医療証はそのまま使えますか?
A. いいえ。転出すると前の自治体の医療証は使えず、転入先で再申請が必要です。その際、対象年齢・所得制限・自己負担の条件が変わることがあるため、お住まいの自治体でご確認ください。
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出典:こども家庭庁「こどもに係る医療費の助成についての調査(令和6年度)」、川崎市・新宿区など各自治体の公式情報ほか(確認日:2026年8月4日)。対象年齢・所得制限・自己負担・給付方式は自治体により異なり、改正される場合があります。最新かつ正確な情報は、お住まいの市区町村の公式情報でご確認ください。当サイトは民間の情報メディアであり、政府機関ではありません。
この記事を作成・確認した編集部
給付金ブリーフ編集部
公的機関の一次情報をもとに、対象・金額・申請方法を確認して整理しています。制度は改正されることがあるため、公式情報での確認をおすすめします。
内容に誤りや古い情報を見つけたら、訂正・誤り報告からお知らせください。制度は変わることがあるため、申請の前に各省庁・自治体の公式ページで最新情報をご確認ください。