医療費の負担を軽くする制度に、高額療養費と医療費控除があります。どちらも「医療費が戻る」イメージですが、戻る中身も、手続きも、タイミングもまったく違います。両方使えるのか、どちらが先かを、わかりやすく整理します。

この記事の要点
- 高額療養費=健康保険。1か月の窓口負担が上限を超えた分が戻る。医療費控除=税金。1年間の医療費が多いと税金が戻る。
- 両方使えます。ただし医療費控除では、高額療養費や保険金で戻った分を差し引きます(二重控除は不可)。
- 順番は「まず高額療養費 → 1年分をまとめて医療費控除」が基本です。
【2026年8月 最新】高額療養費の自己負担上限が引き上げられました。たとえば区分ウ(年収約370〜770万円)は月80,100円→85,800円に。あわせて年間上限も新設されています。詳しくは高額療養費の記事をご確認ください。
それぞれどんな制度?
高額療養費は健康保険の制度で、1か月(同じ月)の医療費の窓口負担が「自己負担限度額」を超えたとき、超えた分が戻る(または最初から上限までの支払いで済む)しくみです。
医療費控除は税金の制度で、1年間に支払った医療費が一定額を超えると、その分を所得から差し引いて所得税が還付され、翌年度の住民税も軽くなります。
比較表でチェック
| 高額療養費 | 医療費控除 | |
|---|---|---|
| 制度 | 健康保険 | 税金(所得税・住民税) |
| 何が戻る | 窓口負担の上限超過分 | 税金の一部 |
| 対象期間 | 1か月ごと | 1年間(1〜12月) |
| 手続き | 保険者に申請/認定証 | 確定申告 |
| 戻る時期 | その場〜数か月後 | 申告後(還付) |
| 窓口 | 協会けんぽ・健保組合 | 税務署(e-Tax) |
ワンポイント:入院など高額になりそうなときは、先に「限度額適用認定証」を用意すると、窓口での支払いが最初から上限額までで済みます(いったん全額払って後で戻す手間が省けます)。そのうえで、1年分の自己負担を医療費控除でまとめて申告しましょう。
両方使うときの注意
両方使えますが、医療費控除の対象になる医療費からは、高額療養費で戻った分や保険金で補填された分を差し引く必要があります。同じ支出を二重に控除することはできません。領収書や支給決定通知を保管しておくと計算がスムーズです。
対象かどうかセルフチェック
- ✓ 1か月の窓口負担が高額 → 高額療養費を確認
- ✓ 入院予定がある → 先に限度額適用認定証を用意
- ✓ 1年間の医療費が多い → 医療費控除(確定申告)を確認
- ✓ 両方使うときは、戻った分を医療費から差し引く
よくある質問(FAQ)
Q. 高額療養費と医療費控除は両方使えますか?
A. はい、両方使えます。ただし医療費控除を計算するときは、高額療養費で払い戻された分や保険金で補填された分を医療費から差し引きます(二重には控除できません)。
Q. どちらが先ですか?
A. 先に高額療養費(健康保険)で1か月の窓口負担の上限を超えた分が戻り、そのうえで1年間の自己負担の合計をもとに医療費控除(確定申告)を行う、という順が基本です。
Q. 高額療養費は自動で戻りますか?
A. 加入する健康保険から申請案内が届くこともありますが、原則は申請が必要です。事前に「限度額適用認定証」を用意すれば、窓口での支払いを最初から上限額までにできます。
Q. 医療費控除は10万円を超えないと使えませんか?
A. 原則は年間の自己負担が10万円超で対象です。ただし総所得金額等が200万円未満の人は「総所得×5%」を超えれば対象になります。
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出典:厚生労働省「高額療養費制度」、国税庁「医療費控除(No.1120)」ほか(確認日:2026年8月18日)。制度の内容・限度額・税率は改正される場合があります。実際の金額は加入する健康保険・税務署の確定によります。当サイトは民間の情報メディアであり、政府機関ではありません。
この記事を作成・確認した編集部
給付金ブリーフ編集部
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